Los AngelesからSan Diegoへ向かう車中、得も言われぬ眠気の中、軍の飛行機や
太陽光をギラギラ反射する銀色の旅客機が低空飛行でSan Diegoの街の中へ滑り込むように着陸していた。
飛行機のリベットまで肉眼でとらえられていたかの如く、あの距離は子供ながらに衝撃的だったのだろう。
鮮明に刻み込まれている。
あれから幾度となく・・・場所は違えど・・・当時のルート、ロサンゼルス空港着陸時、Highway スレスレに着陸するあれ。
何もそんなに低空飛行しなくても・・・結果これがファンキーなアメリカのやり方だと思っていた。
1970年代伊丹空港からや、ノースウエスト等の直行便が飛んでいたころ・・・・・
あのころ・・・・・そうそうと思う人は多いと思う。
そして日本にもファンキーなアメリカ人に負けず劣らず冒険心に溢れた人が其処彼処にいた。
大人になって、相変わらず時差ボケの中、着陸数時間後、車で移動中、無理やり嘔吐きながら昼食をとる・・・・・
あのころ以来目的は変わり、仕事で訪れるようになった訳だが・・・・・
だいたいが北上し内陸部を回っていたので、前回のようにキャンピングカーを運転し、
メキシコまでの道のりで、途中サンディエゴを抜ける時、右手の飛行機の距離感に ハッ とした。
記憶と言うのは面白いものだ。 これ昔・・・・・
特別な事でなくても、脳裏に刻み込まれている風景や音はタイムスリップして現れる時があるのだ。
先日、Tom Waits (トム・ウェイツ) の San Diego Serenade(サンディエゴ セレナーデ) を聞いた。
瞬時にその時の記憶が甦った。現実の出来事、目と音と肌感覚、その頃のエピソード等・・・・・
今時代は簡略化され、家にいながら買い物や映像を楽しめる時代であるが、
数年後、数十年後、またそのずっと先、記憶に残る商品や思い出はそこから生み出されるのだろうか。
ないとは言わないが・・・・・今のままでは私は限りなく薄い物になるような気がする・・・・・
製造する側も、手に入れる側、消費者も・・・・・
効率や物質だけではない、もう一つの感覚、後に自身へ贅沢な時間を供給することに気が付く時代。
言葉で表現しにくいのですが、昔に戻るというよりも、より厳選されたというか、
それは、現代社会において情報が多い分、かき回され、何が本物か、自身で最終的に確かめないと操作された物との判断がつきにくい。
だからこそ自身の好みを等身大で見極める。
仮想空間と入り乱れたこの時代だからこそ、リアル 感覚 を柱とする人々の足音が聞こえる。
物質的な欲求を満たすだけではなく精神とその後の起こり得る未来のエピソードも合わせて提供する。
日本のインテリジェンスマーケットの幕開けといえるだろう。
アパレル業界・飲食業界、がSNSに大きく針が振れたからこそ、等身大の日本の方向性を改めて見いだせたのかもしれない。
以前から私自身、各セミナーや会議でお話しさせていただいておりますインテリジェンスマーケット、
価値観の多様化から生み出された新たなステージが始まっている。
念のために、それは現在大きなマーケットではない。気づいた人から移行するニッチなマーケット。
沢山の選択肢がある中で、我々は今も昔も変わらずそこで生きている。
出会いの入り口や切っ掛けは様々だと思う。
だからこそ・・・・・いつまでも変わらぬ挑戦をし続けたい。商品を通じて、またいつか会える日が来るのだから。
その頃、日本は・・・・・勇気のある冒険者をあざ笑い罵るのではなく、
認める事が出来る・・・・・きっと大人な面白い国になっているに違いない・・・・・そう願わずにはいられない。
株式会社メリケンヘッドクォーターズ
代表取締役 入舩郁也
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by merican-hq
| 2017-01-13 11:00