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メリケンヘッドクォーターズ MHQ

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過去・現在・未来のLoopline

第四章六話 ・ 思い出








皆様 如何お過ごしでしょうか。
私の方は兎に角 目が舞うような忙しさと日替わりで訪れる天災。
漸く・・・・・とは言え、まだまだ忙しさは続くのですが、半年ぶりにひと息つこうと思います。
そして皆様がこの天災でご不自由、お困りのないことを心よりお祈り致しております。







ひと息・・・・・
そう想わせた切っ掛けは・・・・・ここ半年で急激に失われて行く町の景色、廃業される老舗やメーカーのプロダクト。
台風や災害だけが景気を後退させている訳ではないが・・・・・
スマホやパソコン・・・・・手が汚れると言う理由で敬遠される手軽な食べ物や
遊び心が詰まったものは、余裕のない時代には不釣り合いということなのか。
とりわけ・・・・・チョコフレーク販売中止の報道で、1967~
歳を同じくして、幕を閉じるお菓子の思い出にしばしお付き合い下さいませ。








いくら手にくっつき難いとは言え、それは大人の話で、口の周り、手はチョコだらけ、
ネチャネチャするのがいやで洋服で手を拭いた・・・・・







その手で一番大切にしていたミニカー 白の日産フェアレディーZ・・・・・内装は赤だった・・・・・
玄関のコンクリート部分を利用し、近所の友達と口から爆音を轟かせ連日レースを繰り返していた。








後に聞いた話だが、私が初めて父にお願いし買ってもらった物だと記憶していた。
がどうやらそれは二番目で、一番はゴジラの巨大なソフビ人形だったそうだ。
以前にも文章にしたが、私はそれまでそのゴジラの人形を買ってもらうまで・・・・・
一言も父と口を聞かなかった。
職人気質の厳しい父が大嫌いだった。
そしてその気質DNAは確実に遺伝して私の頑固な部分を形成している。








ある日、例のごとくチョコフレークの塊を口いっぱいに放り込んで、手はチョコだらけ、ネチャネチャするのがいやなのに、
洋服で手を拭かなかった。

  





白のフェアレディーZは錆びたようにチョコが付着し、拭いても拭いても何故かネチャネチャが取れなかった。
チョコフレークを恨んでも仕方がない。あの時・・・・・手を拭かなかった自分が悪いのだ。








切っ掛けは思い出せないのだが、いつものように一しきり遊び終えた友達との別れ際、
私はそのフェアレディーZを友達にあげた。その夜・・・・・とんでもない雷が落ちるとも知らずに。








「物で友達を作るな!!!!!」        正確にはとても文章で表現出来ない。

幼い自分がやらかしてしまったことの重大さ。初めて知った。そして落とし前の取り方・・・・・思い知らされた。








その晩・・・・・恐らく夕食を終えた友人宅の団欒のひと時、外まで楽しげな声が漏れ聞こえる。

玄関のブザーを押す。

おばさんに事情を説明し、一度あげた物を頭を下げて返してもらった。
何気ない行為だった。私にとって、父と言う人間の生き方、人との向き合い方が、
いまこの歳になって痛いほどわかるようになった。








寂しい訳ではない。
甘いはずのチョコフレーク・・・・・私の苦い思い出と共に消えていく。








                           入舩郁也










































by merican-hq | 2018-10-07 11:00