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メリケンヘッドクォーターズ MHQ

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過去・現在・未来のLoopline

第三章十一話 ・ 枯れ方













梅雨の晴れ間、陽射しがまぶしい。
どこに仕舞い込んでいたのか・・・・・ある時、鞄のポケットから出てきた。
手にした質感と着用感が懐かしさと、当時の自身と今の自分が重なった。











十代の頃、背伸びして買った【 B&L/RAY BAN/ USA 】サングラス。
それが WAYFARER と言う形と言うことも・・・・・その頃は分からなかった。
今と違って情報を得る手段も少なく、とにかく見て・触って・掛けて、これだと思った。










親友とバイトして黒にするか、べっ甲柄にするか・・・・・
彼も覚えているはずだが、掛けて見て、買う前から最高の気分だった。










彼は黒を、私はべっ甲柄を選んだ。
その当時の若造のアイテムとしてはホントに活躍した・・・・・
夏の海辺やバイク、とにかくカッコつけた。
形も今までの物とは違いフィットし、かけ心地も最高だった。










これが本物だと思った。何故か大切にしていたのによく落とした。
あっっっ・・・アスファルトをシャーと滑って行くサングラス。
しかしフレームは傷はつきにくく、レンズも問題なかった。・・・・・違うな・・・・・
当時は関心したものです。今の現行品は私には分からないのですが、
身体の一部の如く徹底的に使用した。











洋服、靴も、鞄も、バイクも車も、欲しい物を手に入れる為に働いたし、本当に色々試してみた方だと思う。












そうして篩(ふるい)に掛かったものは結構いまだに使っている。
冒頭の【 RAY BAN 】のサングラスもその一つで30年以上の付き合いになるのかな。
勿論その間も今良いと思う物を試しますし購入もします。その後、数十年使用する物もあるでしょう。










今の時代、このタイミングで、他人の情報に頼りネットオークションで中古品を安価で購入、届いて見て似合わなければ売却、CMでも欲しい物が見つかる。なんて言っている。手段、方法は時代とともに変化し、家にいながらお買い物と言う時代ではある訳だが、あくまでも私の中では、それで良い物と、それではいけない物が存在している。雑誌や情報に左右されず自身が好きなものと、その年齢で似合う物、又、似合う様になってきた物、食べ物でも好みも変わるのだが、所謂、吟味してきた物と現場での会話、物質だけではない人とのやり取りや、マナー、その経験の積み重ねが見極める質感と比例し、唯一無二の自身を形成していくと考える。










なので私にとって、あの時と同じで、入口でもある、手にして【 質感を感じること 】は本当に重要です。
たとえサイズ感が記載されていようと、袖を通してみないと気持ち悪い。
手にした風合い感覚、そして私は、今も昔も今現在もこれと言う物を捜している。オールドから現行品、
アイテムでこれと言う物はずっとあるまで忘れることはない。・・・・・なぜなら見つけて手にいれたその後、
最高に気分が良いし、【 少し宝探しに似ているワクワク感 】いくつになってもあるような気がする。









残念だが・・・・・
無ければ作る。そうやってboga boga【 ボガ ボガ 】の製品が生まれ、その一部が皆さんの目に触れる。
小さな変化や、物理的に困難な作業で通常は端折ることをやる。聞かなければ見逃すデティールに必要性を感じるが故にやる。なんだかんだ言って複雑で能書が多いようですが、至ってシンプルです・・・・・我々のプロダクトは。













自分が、美味いか不味いか、カッコ良いかカッコ悪いか、知ってるか知らないか。それだけです。














行列の出来るレストランの周辺でも、美味い店は山ほどあり、他人の情報に自身の味覚を重ねる程、自身の感覚が違ったとき、残念な気持ちが増大するのでは・・・・・と私は想います。それはお店の責任ではなく、紹介していたテレビや雑誌のせいでもない。実は今のシステムが可能性の芽を摘み、いつの間にか大衆の自由なマーケットをテクニックや大きな資本でコントロールされている。そのことに気づく必要性を感じます。











本能と言うべきなのか感覚なのか、自由と表現するべきなのか。
うまく言えないのですが、失敗を恐れず経験を積むこと、自分を信じて挑戦すること。
様々な事を飛び越えて、最短距離を求めすぎると年齢を重ねて周囲を見渡した時、そこに何が有るのだろうか。
私は遠回りも良し、失敗も本当に失敗だったのか。
歳を重ねること、枯れていくことで、失うものと手に入れる物を感じる。














まだまだ街には発見と驚きが溢れています。老舗が良いからと言う理由だけで継続運営されてるわけでもなく、様々な理由がある。昨日今日の店舗が・・・と言うわけでもない。時には他人の情報に身をゆだねることも有だろう、しかしそこで皆が皆、同じ見解な訳がなく、本来は千差万別なはずなのだが・・・・・リスクしない今の時代、そのことがリスクになっているような気がします。















本年度、9月で5年目に入る神戸で初めての鹿肉料理専門レストラン【 鹿鳴茶流入舩 】をオープンさせた時、地域の重鎮から二人きりになった時、耳元で【 吉と出るか凶と出るか 】と嗤われ、変人扱いされたものです。












そこには挑戦した者にしか見えない世界があると思います。



                        株式会社メリケンヘッドクォーターズ

                                 入舩郁也

















































by merican-hq | 2017-06-17 11:00

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